うつの症状

うつは、それが病的なものなのか、日常的に性格からきているものなのかをしっかり区別しなければいけません。


精神的なうつの三大症状

うつの3大症状は、

  • 億劫感
  • 憂うつ感
  • 不安・焦燥感

が挙げられます。

しかし、これらの症状は、ちょっと疲れたときなどに「だるくて、何をするのも億劫」だとか、梅雨のじめじめした時期などには「憂うつな気分になる」だとか、普段から当たり前のように使われている言葉でもありますよね。
実際にうつでなくても、人間ならそのように感じることがありえることでしょう。
このことから、うつと診断をすることは非常に難しいのです。
また、不安・焦燥感などは、「元々心配性な性格だから」ということで、簡単に片付けられることもあります。

うつは、うつの3大症状が全て現れる場合もあれば、「不安・焦燥感」や「憂うつ感」だけが顔を覗かせることもあります。


<その他の精神的なうつの症状>
また、うつの精神的な症状としては、

  • 今まで意欲的に活動していたものに意欲がなくなる
  • すごく興味があったものに無関心になってしまう
  • 会社でバリバリ仕事をこなしていたものが、仕事の効率が極端に悪くなる
  • 家事をするのも億劫になったり何をするのにも気分が乗らない
  • 何もないことに関してすごく不安を感じる

などが見られます。


身体的なうつの三大症状

また、精神的な部分だけでなく、身体的にも「うつ」の症状が現れることがあります。
体に現れる特徴で最も多く見られるのは「全身倦怠感」です。
とにかく疲れやすくだるいといった症状です。

次によく見られるのは「睡眠障害」です。
寝つきが良くても、夜中に何度も目が覚めたり、明け方になると目が覚め、朝までゆっくり眠れなかったりというような睡眠に対しての障害が出てきます。
うつの睡眠障害に関して共通して言えることは、「目覚めたときに、なんともいえない憂うつ感を感じる」ということです。

また、うつになると「頭痛」「胃の不快感」といった症状が身体的に現れます。

それらの症状から、内科を受診しても原因不明だと言われた場合は、うつを疑ってみることが必要だと言えるでしょう。


<その他の身体的なうつの症状>
うつの身体的な症状としては、

  • 疲労感
  • 倦怠感
  • 首や肩のこり

などが見られます。


うつの診断方法

うつの診断方法うつは、内臓疾患や、外科的なケガなどの診断や治療とは違い、内科的な検査の結果に現れる数値で判断できるものではありません。
「いつから、どのような症状が現れているのか」を詳しく問診し、客観的に患者を診て、その様子からうつと診断していくものなのです。

もちろん、うつか内科的病気かの診断をするのは大変難しいものがあります。
診察をする際には「億劫感」や「憂うつ感」がいつから続いているのか、睡眠障害の有無や食欲の有無などを診ていきます。
家族が同行している場合は、家族から見てどのような変化があるのか充分に話を聞き、診断の参考にします。

また、内科的な病気の中にも、うつとよく似た症状が出る病気があるので、その病気との診断を間違わないようにすることが必要です。
身体的な不調、胃の痛みや頭痛などの身体的不調が強い場合は、内科的な疾患なのか、精神的なうつなのかを的確に診断するために、必要に応じて、血液検査やレントゲン、その他、内科的な検査を行います。

医師の指示に従い、内科的な病気がないかを決定づけてもらい、うつの治療に取り掛かるのが万全だと言えるでしょう。


<うつは本人さえ気づきにくい病気>
うつの診断には、本人の申告が重要です。
しかし、本人がそれほどうつと感じずに「自分の性格的な問題だから」などと片付けてしまうケースも多いのが現状です。
そのため、いつも患者本人と接している家族が客観的に見た様子も診断には非常に大切です。
うつと診断された場合は、主治医の指示に従い、家族のフォローの中で治療に専念するのが一番です。

しかし、「抑うつ状態」「意欲の減退」「不安」などという精神面での症状は、医師から指摘されない限り、患者さん自身が気づくことはほとんどありません。
症状を自覚している人は、うつの中でもほんの数パーセントにしか至らないのです。

医師が質問すると、80~90パーセントの人が「そういえば・・・」と答えるそうですが、聞かなければ答えないということは、うつ患者さんの「認知障害」を明らかにしていることなのです。
「認知障害」とは、精神疾患のひとつで、主に学習、記憶、理解、問題解決に障害をきたしている状態です。

つまり、うつ患者さんはうつのさまざまな症状のごく一部しか認知していないということです。
そのごく一部しか医師に申告しないことが、うつの診断の決め手を難しくしている大きな要因になるのです。


<うつと間違えやすい病気>
うつの症状は本当に多種多様で、風邪のように「頭痛がする」「鼻水が出る」「喉が痛い」 と一般的に知られているようなものだけではありません。
「まさか、こんなものがうつにつながっていたとは・・・」と思うような症状が体に現れることもあります。

例えば、先に挙げた肩こりなどももちろんですが、体に如実に現れる症状として、

  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 動悸
  • 体重の減少
  • 腹痛
  • 腹部の不快感
  • めまい
  • 胸部の不快感
  • 腰痛
  • 下痢
  • 性欲減退
  • 呼吸困難

などがあります。
これらはうつとは無縁で、ともすれば内科的な病気を疑うようなものが「うつの症状」に挙げられています。

うつと体に起こる症状の関連が意外に知られていないので、うつとの関連を考えずに、長年違う治療を受けてしまうこともあります。
やはり、このような症状が体に現れている場合、誰しも「心の病」などと考えることもなく、内科を受診してしまうのは、ごくごく一般的なことだと言えるでしょう。


<うつは誤診されやすい病気>
内科やその他の一般的な科を受診して各種色々な検査をしても、結局のところ何も見つかることはない場合、

  • 心因性のものによる
  • ストレスから来るもの

として、「様子を見てください」と言われてしまいます。
こうして症状を抑えるためだけの薬が処方された結果、うつそのものに対しての治療は一切されないままで終わってしまうことになってしまいます。
そうなると、いっそううつが進行し慢性化したり深刻化してしまいます。
体に出た症状が内科等で改善されない場合、うつをもっとよく知る必要があると言えるでしょう。


<うつは人に伝えにくい病気>
うつの身体症状は、医師に質問されると比較的患者側から訴えやすいものです。
しかし、精神的症状は患者側からすれば「言いたくない」「言いにくい」状態にあることも考えておかねばなりません。
人間関係を避けるようになった」
仕事の効率が低下した」
などということを患者側から訴えることは、まず考えられません。

身体的症状に対して、精神的な症状は「ストレス」という大きな括りになり、患者側もうつにかかっているという自覚症状は無いに等しいと考えていいでしょう。


うつは悲観的な考え方になる病気

うつの症状で「ストレス」という言葉を何度も繰り返し使ってきましたが、知らず知らずのうちにうつの症状が進行していくと、「悲観的な考え方」から抜け出せなくなってしまいます。

「悲観的な考え方」は、どうしても前向きな考え方ができない、悪い事態に陥ったことばかりと考える状態、また、悪い状態の物事しか眼に入らなくなってしまうのです。
自分の未来に対して明るい希望が何も見えなくなり、自分に何の自信も持つことができなくなってしまうネガティブな考え方から抜け出すことができない状態に陥ってしまいます。

例えば、
「こんなに頑張ったのだから、一息入れて温泉にでも行って気分転換をしてみよう」
「これまでは頑張りすぎたのではないだろうか?少しゆっくりと時間を取って自分を癒してあげよう」
などという発想の転換ができなくなってしまいます。
こうして自分の考えに柔軟性がなくなり、悲観的な方向へと自分の考えが進んでしまいます。


うつは誰でもなる病気、専門家へ早めに相談しよう

早めに相談しよううつは、自分の周りに起こっている物事を多方面から見ることができない状態で、色々な症状が発症すると言ってもいいのではないでしょうか。

「心のサイン」や「体のサイン」が何か出ている状態ならば、億劫がらず、また恥ずかしがらず、そして何より「うつではないか」と感じた家族が理解者となって、専門医の診察を速やかに受診するのが一番良いでしょう。
やはり、それがうつの解決への第一歩だと言えるからです。


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2010年4月30日
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